IoT電力センサユニットによる工場の省エネ事例
- IoT電力センサ
体重管理と同様に、工場における省エネの取り組みには設備ごとの現状把握が必要不可欠です。
ラインごとや装置ごとにIoT電力センサユニットを取り付け、個別の消費電力や力率を見える化することで、夜間や休日の電源消し忘れをはじめとするムダな電力消費(=省エネポイント)を発見できます。
この記事では、IoT電力センサユニットによって明らかになった省エネポイントを改善することで得られる、着実かつ効率的な削減事例をご紹介します。
※電気料金単価は、全国家庭電気製品公正取引協議会が示す「新電力料金目安単価」を参考にしています。
その1 装置の電源オフによる省エネ効果
装置Aの電力を計測したところ、非稼働時間であるお昼休憩中と夜間の電源の消し忘れがあることを発見しました。これらを改善した場合に期待される省エネ効果を計算すると…
お昼休憩中の電源オフ
400kWh × 20日(1か月分)× 12か月 = 96,000kWh / 年
96,000kWh × 31円 = 2,976,000円
夜間の電源オフ
180kWh × 20日(1か月分)× 12か月 = 43,200kWh / 年
43,200kWh × 31円 = 1,339,200円
年間で139,200kWh、4,315,200円の削減!
その2 休日の電源オフによる省エネ効果
ラインごとの電力計測を行ったところ、ラインCで休日に大きな消費電力が発生していることが分かりました。これらを改善した場合に期待される省エネ効果を計算すると…
2,150kwh × 2日 × 12か月(1年分)= 51,600kwh / 年
51,600kwh × 31円 = 1,599,600円
年間で51,600kwh、1,599,600円の削減!
その3 ヒーターの余熱時間短縮による省エネ効果
ラインAとラインBの電力を確認したところ、ヒーターの余熱時間短縮の余地があることを発見しました。これらを改善した場合に期待される省エネ効果を計算すると…
約4,000kwh × 20日 × 12か月 = 960,000kwh / 年
960,000kwh × 31円 = 29,760,000円
年間で960,000kwh、29,760,000円の削減!
さらに、ラインBを見てみると午後から加工機が稼働していないことが分かります。
この時間帯に対象ヒーターの電源をオフするだけで、さらに約30%の削減!
その4 力率計測によるヒーターの断線検出
ヒーターは劣化すると断線しますが、3個のヒーターのうち1個が断線しても、残りの2個に電流が流れるため断線の検出は簡単ではありません。IoT電力センサユニットは力率を計測できるため、これを活用することでヒーター部の断線を検出することができます。
力率を常時監視することで異常に素早く気付き、不良品が発生する前に対応できます。
これにより、歩留まりの悪化を改善し、ムダを削減することで省エネ対策に貢献 します。
その5 力率計測によるフィルタ目詰まりの早期発見
換気ファン、集塵機、チラーポンプ、排水浄化ポンプなどには一般的にフィルタが使用されます。フィルタが目詰まりを起こすと効率が低下し、その結果、消費電力が増加します。
モーターは電気エネルギーから機械エネルギーへの変換効率が悪くなるので、力率の低下として即時把握が可能 です。これにより、消費電力の増加を防ぎ、歩留まりの悪化を抑制する 効果が期待できます。
まとめ
IoT電力センサユニットを活用した電力の削減事例をご紹介しました。
省エネはコスト削減だけでなく、2050年のカーボンニュートラル実現を目指す中で、その重要性がますます高まっています。
ひとつひとつは小さな取り組みに感じるかもしれませんが、着実に積み重ねが大きな成果に繋がります。
省エネへの一歩を、IoT電力センサユニットと一緒に踏み出してみませんか?