お客様インタビュー|澤藤電機株式会社
- IoT電力センサ
- SIRCクラウド

設備ごとの電力使用量を知ることで、明確な打ち手が見えてくる。ーCO2排出量を年間約15トン削減ー
トラック・バス用電装品、ポータブル発電機、ポータブル冷蔵庫の各分野の製品を手掛ける澤藤電機株式会社。国内をはじめグローバルに製品・サービスを提供しています。
中長期経営計画 長期構想「チャレンジ2030」では、働くモビリティ社会の中で課題解決の一翼を担い続けることを存在意義に掲げています。
「美しい地球環境を将来へ受け継ぐ社会づくりに貢献する企業」を目指すことを環境方針とし、早くからカーボンニュートラル実現に向けて取り組んでいます。
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お話を伺った方
澤藤電機株式会社 経営企画部
サステナブル戦略室 SDGs・CN推進課
関口 様(写真左)新井 様(写真右)
導入サービス
課題背景
・分電盤単位では電力使用量を測定していたが、設備単位での消費実態までは把握できなかった。
・生産設備について、さまざまな箇所の電力使用量を把握したかった。
・カーボンニュートラル達成にむけ、社内でのデータ共有やCO2削減方法を模索していた。
成果
1.設備立ち上げ時や待機電力を可視化、CO2排出量を年間約15トン(18,715kWh、約40万円)削減
工場の昼休み等で発生している生産設備の待機電力削減のため、IoT電力センサを用いた電源OFF活動を実施。この活動によって大きな効果が得られたため、一部の工場では生産に支障がないことを確認できた全設備に横展開した。
2.設備更新の前後で、電力使用量の比較が可能になった
ある設備更新においては、新設備の方が電力使用量が大きいことが判明。省エネ設定/省エネ改善の必要性を把握できた。
3.工場の省エネ意識向上に大きく貢献
詳細な電力量データを提示できることで、課題の共通認識が深まった。それにより工場内での省エネ意識が高まった。
導入前の課題
「CO2削減にむけて、電力使用量をもっと詳細に把握したい」

電力使用量の計測は、25年前から実施されていたそうですね。
分電盤単位での計測は早くから実施していました。ただ、そのデータを活用した積極的な改善策につなげるまではなかなか至っていませんでした。従来の計測器では、分電盤単位で30分ごとの計測しかできないため、設備ごとの電力使用量が把握できておらず情報が粗かったのです。
2000年頃とは、環境配慮への動きがまだ高まっていない時期です。
そうですね。その頃に工場各所の電力使用量を把握しようとしていたのは先進的だったのではないかと思います。とはいえ、近年ますますカーボンニュートラルやSDGsへの意識が高まるなか、さらに踏み込んだ活動を実行していくことが必要でした。2021年12月に環境戦略を主管する部署を発足し、重要な経営課題としてのカーボンニュートラルの取り組みがスタートした時期に、SIRCのIoT電力センサに出会いました。
詳細な電力使用量を知ることで、どのようなメリットを期待されましたか?
生産設備一つひとつの電力使用量を知ることが一番の目的でしたが、それ以外にも、より細かな時間単位でのデータが必要でした。当社の場合、製品サイズ的に部品ひと工程の加工時間(マシンタイム)は1分程度のものが多いため、従来の30分単位のデータでは踏み込んだ分析ができなかったのです。
導入の経緯
「決め手は、1分ごとに計測できること。センサ脱着が簡単なこと」

競合商品と比較して、SIRCのIoT電力センサを選んだ理由とは?
生産設備単体の電力使用量を、1分単位で計測できること。力率が計測できるので、有効電力が分かる点も大きなメリットでした。力率は変動しますし、概算値では正確なデータが得られないので。
もうひとつ、競合商品の場合は配線工事が必要となるため、設備を止めないといけない。でも、SIRCのセンサは稼働中でも取り付けられるのがありがたいと思いました。自分たちで脱着ができるので、計測したい設備にスピーディに設置できるのもいいなと。
クラウド型の導入については迷われたそうですね?
当初はランニングコストが気になったので、クラウド型にするかは迷ったところです。使いこなせなかった場合に無駄になってしまうのではないかと。
ただ、クラウド型ではリアルタイムにグラフ化ができるし、異常値を検知した際のメール通知機能があるため、予知保全の面でも安心だろうと。結果的に、計算の手間なく電力量がすぐに表示されるのが便利なので、スタンドアローンよりもクラウド型を選んで正解だったと感じています。
しかも、導入を決めていただいたのは、商品リリース前でした。
2022年の春に商品紹介のお手紙をいただきました。IoT電力センサについて興味があったもののしばらく保留にしていたのですが、お電話にて、丁寧にご説明いただき、とても熱い思いを感じました。実はその時のお手紙、今も大事に保管してあるんですよ。
その後Web打ち合わせを通じて、当社の課題解決に繋がりそうな商品だと判断しました。
導入後の成果
「非稼働時間の電源OFFなどにより、CO2排出量を年間約15トン削減」

IoT電力センサの設置場所は?
工場の分電盤内や生産設備の制御盤内に設置しています。更新や改善を実施した箇所で、実施前後の使用電力量を把握したり、使用量の大きいラインの分電盤内に設置し、設備ごとの使用量や傾向を把握するために使っています。
導入によって、改善されたことを教えてください。
一番大きな効果は、昼休みなどの待機電力が大きいことがデータで把握できたことです。電力使用量を提示できたことで、現場管理者にも納得してもらえた。「それなら、昼休みなど非稼働時間は電源OFFにしてみよう」とすぐに周知徹底してもらったことで、CO2排出量を年間約15トン(18,715kWh、約40万円)も削減することができたんです。
工場サイドにとっても、省エネ目標達成へのタスクがありますから、具体的な対策項目が見つかるのはありがたいこと。グラフ化されたデータが見られて、打ち手が分かると行動に移しやすいのだと思います。
簡単に脱着できることのメリットとは?
自分たちで「ここの電力量を測ってみたい」と思った箇所に、1週間ほど設置して計測するようにしています。それによって見えてきた意外なことが分かりました。
古い設備から新しい設備へ更新する際、当然新しい設備の方が省エネに貢献すると期待していました。しかし、実際には、古い設備の方が消費電力が少なく、新しい設備の消費電力が多い、ということが判明しました。新しい機能の追加や作業性の改善なども含まれるため、やむを得ないことはありましたが、電力量を可視化し把握できたことは、今後の設備更新の際の注意点として認識することが出来ました。
また、ある排気装置にIoT電力センサをつけてみたところ、一日のなかで時間が経つごとに消費電力量が上がっていることが分かりました。設備単体の計測データを見える化できたからことわかる発見でした。
今後もいろいろな箇所で計測を行い、状況把握、対策立案、改善実施を進めていきたいです。小さな改善の積み重ねが大きな効果に繋がると考えています。
さらなる改善に向けて
「社内だけでなく、仕入先様にも積極活用いただくことで、CO2削減に拍車をかけたい」
IoT電力センサ活用で、今後さらに改善したいことは?
現状は、サステナブル戦略室が計測箇所を決めていますが、今後は設備使用部署や設備導入部署がより主体的に動けるよう働きかけていければと思っています。各工場での意識が高まって、「現在の保有数では足りない!」と言ってもらえるのが理想です。
御社はScope3にも積極的に取り組んでおられますね。
社内だけでなく、仕入先様にご協力いただきカーボンニュートラルへの取り組みを進めています。主要な仕入先様約200社に対して、初めは周知することからスタートしました。
必要性は理解できるものの、どこから手を付ければよいか分からないという仕入先様向けに、「カーボンニュートラルとは?」という導入編の説明を実施しました。そこでは、カーボンニュートラルを推進する団体と連携して省エネ診断※の受診いただくことを推進しました。
仕入先各社様のペースに合わせて取り組みを進めていますが、ある企業様ではコンプレッサーを更新して大きなCO2削減効果を得られたなど、徐々に結果が出ています。
※省エネ診断を活用した仕入先様への脱炭素支援 ― 関東経済産業局 ウェブサイト
https://www.kanto.meti.go.jp/seisaku/sho_energy/sho_energy_shindan.html(外部サイトが開きます)
そういったScope3の取り組みは、「群馬県環境賞」受賞につながっているのでしょうね。
令和6年度 群馬県環境賞「ぐんま 5 つのゼロ宣言※」実現貢献賞をいただきました。自社だけでなくサプライチェーン全体での脱炭素化に取り組んだことが認められたのは、大きな励みになりました。
SIRCさんと話していたのは、当社が導入したIoT電力センサを仕入先様でも活用いただくというアイデア。脱着が簡単なので、先方の工場稼働中に測定ができるため、こちらも依頼しやすいのでお声がけしていこうと思っています。
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※ぐんま 5 つのゼロ宣言とは ― 群馬県庁ウェブサイト
https://www.pref.gunma.jp/page/6725.html(外部サイトが開きます)
SIRCのIoT電力センサ導入を検討されている企業様に、ひと言メッセージをお願いします。
電力使用量の可視化は、省エネ推進の第一歩です。そのハードルを下げてくれたのが、SIRCのIoT電力センサでした。大掛かりな設置工事がいらないから導入が手軽ですし、簡単に取り付け・取り外しができるので柔軟に活用できます。
IoT電力センサを活用して、共にカーボンニュートラルへの取り組みを進めていきましょう。

澤藤電機株式会社
設立 1919年5月10日
代表者 代表取締役社長 井上 雅央
本社所在地 群馬県太田市新田早川町3番地
事業概要 電装品・電子製品、発電機、冷蔵庫事業
HP https://www.sawafuji.co.jp/