力率とは?仕組み・改善方法・IoT活用までわかりやすく解説

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力率とは?仕組み・改善方法・IoT活用までわかりやすく解説

工場や設備の電力管理を考えるとき、「力率(りきりつ)」という言葉をよく耳にします。
しかし、「なんとなく聞いたことはあるけど、正確に説明できない…」という方も多いのではないでしょうか?

力率は、設備の電気使用の効率を示す大切な指標です。
改善することで、電気料金の削減設備寿命の延長省エネ推進異常検知など、多くのメリットがあります。

この記事では、力率の仕組みから改善方法、そして最新のIoTを活用した力率管理まで、分かりやすく整理していきます。

力率とは?

力率は、電源から供給された電力のうち、実際に有効に働いた電力の割合を表します。
交流電気回路では、電圧と電流の位相がずれるため、供給電力のすべてが仕事に使われません。
この比率を数値化したものが力率です。
力率は通常「0~1」の範囲で表され、「1」に近いほど効率が高いです。

力率が低くなる理由

工場ではモーターやトランスなどの「誘導性負荷」が多く使われています。
これらの機器は、電流と電圧のタイミング(位相)がずれることで、無効電力が発生し、力率が低下します。
工場内で複数のモーターが稼働する場合、無効電力が増加します。

力率が低いとどうなる?

力率が低い状態をそのままにすると、次のような影響があります。

① 電気料金が割増される

多くの電力会社では、力率が85%以下の場合に割増85%以上で割引が適用されます。
設備規模次第では、毎月大きな差になります。

② 設備に負荷がかかる

力率が低いと必要な仕事量に対し、より大きな電流が流れるため、
・配線や変圧器への負荷が増加
・電圧変動や機器の故障リスクが高まる
など、結果として設備寿命の低下につながります。

力率改善のメリット

・基本料金の削減
・設備トラブルの予防
・電力ロス低減
・稼働率改善

シンプルに言うと、電力も設備もムダなく使える工場になるということです。

従来の力率計測の課題

多くの現場では、CT(変流器)を使った電流測定が行われています。
しかしこの方法では電圧との位相差を考慮できず、実際の力率や有効電力は正しく把握できません。
場合によっては 最大80%の誤差が生じることもあります。

IoT電力センサユニット CTとの比較 力率

SIRCのIoT電力センサで解決できること

SIRCのIoT電力センサユニットは、電流と電圧波形の両方を検出します。
取り付けたったの15秒で、力率を加味した有効電力を把握できます。

IoT電力センサユニット

特長

・後付け15秒・工事不要
・ワイヤレス通信対応
・クラウドで自動グラフ化
・閾値設定で異常検知・アラーム通知

SIRCのIoT電力センサ 活用シーン

活用領域効果
省エネ管理力率を加味することで、有効電力が正確に把握できる。
設備ごとの電力消費の実態が明確になる。
省エネ対策の効果を数値で実証できる。
品質管理加工機の電力計測でエネルギーのバラつきを評価できる。
ヒーターの断線をいち早く検出し、不良品を防止できる。
フィルタの目詰まりも力率低下で早期に発見できる。
異常検知力率の突然の変化は設備異常の信号。
定期保全から予知保全へのシフトが可能に。
データ活用計測データはBluetoothで自動送信され、SIRCクラウドで自動グラフ化される。
リアルタイム監視により、異常検知が実現。

導入効果まとめ

経営面

設備更新や投資判断の根拠となるデータが得られます。
工場全体のエネルギー効率が見える化され、改善ポイントが明確になります。

実務面

巡視点検や手書き記録が減り、作業が大幅に効率化されます。
ペーパーレス化により、情報共有や管理がスムーズになります。

環境・社会面

CO₂排出量削減につながり、脱炭素・省エネの取り組みを進められます。
企業のサステナビリティ評価向上に貢献します。

関連する技術用語

有効電力(W)実際に仕事をする電力
皮相電力(VA)電圧と電流の積で示される見かけの電力
無効電力(var)仕事をしない電磁エネルギーの往復分
力率改善コンデンサ設置などで力率を高める施策

まとめ

力率は「電力の使われ方」を表す重要な指標です。
従来方法では測定や改善に手間がかかるものでしたが、IoT電力センサユニットを使えば、工事不要でリアルタイム管理が可能になりました。

まずは、現状の見える化から始めてみませんか?

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