アナログ計器とは?仕組み・種類・現場課題とIoT化の進め方をやさしく解説

  • 電力センサ
アナログ計器とは?仕組み・種類・現場課題とIoT化の進め方をやさしく解説

工場やプラント、研究施設では、今も多くのアナログ計器が使われています。
圧力、温度、電流、流量など——設備の状態をひと目で確認できる存在として、長く現場を支えています。

この記事では、

アナログ計器の特徴
種類と使われる場所
現場が抱える課題
IoTセンサによるデジタル化
 までを、読みやすくまとめていきます。

アナログ計器とは?

アナログ計器は、測定した値を針と目盛りで表示する方式の計測機器です。
デジタル表示ではなく、指針の位置で視覚的に表すことが特徴です。

アナログ計器の特徴

アナログ計器は、次のような特徴があります。

指針が連続して動くため、変化がわかりやすい
構造がシンプルで故障しにくい
電源不要のものが多い

デジタル表示と比べると「感覚的に異常に気づきやすい」という点が強みです。

アナログ計器にはどんな種類がある?

アナログ計器には、用途に応じたさまざまな種類があります。

計器の種類用途測定対象
圧力計配管・機械設備の圧力管理圧力(MPa、bar)
温度計温度の測定・表示温度(℃、℉)
流量計液体・ガスの流量測定流量(L/min、m³/h)
電流計(アンペアメーター)電流値の測定電流(A)
電圧計(ボルトメーター)電圧値の測定電圧(V)

アナログ計器はどこで使われている?

アナログ計器は、多くの産業現場で今も現役です。

分野活用例
製造工場ボイラー、コンプレッサ、冷却ライン
プラント配管圧力管理、薬液・ガス制御
研究・実験設備安全確認・装置監視
建物・インフラ空調設備、水処理設備

アナログ計器のメリット

アナログ計器が長く使われ続けている理由は、次のとおりです。

堅牢性が高く長寿命
導入コストが低い
停電時でも値がわかる
傾向変化が直感的に読み取れる

アナログ計器が抱える課題

設備が増え、作業負担が大きくなるにつれて、次のような課題が目立つようになりました。

課題具体例
点検業務の負担増加巡回点検に時間がかかり、人手不足に対応しきれない
記録・運用コストの増大手書きやExcel転記が残り、作業が属人化しやすい
異常検知の遅れ定期確認では変化に気づきにくく、予知保全が難しい
データ活用が難しい情報が分散し、分析・改善に必要なデータが活かせない

アナログ計器 × IoT という選択肢

IoT角度センサユニット

アナログ計器をすべて交換してデジタル化する方法もありますが、
近年は既存の計器をそのまま活かしながらIoT化する方法が広がっています。

設備更新や工事を行う必要がなく、現在使用している計器にセンサーを取り付けるだけで、
遠隔監視・自動記録・データ分析が可能になる点が大きな特長です。

この方法であれば、現場の運転を止めずに導入でき
古くから運用している設備や、交換が難しい計器もデジタル化の対象になります

SIRCのIoT角度センサユニット

SIRCの IoT角度センサユニット(PAKシリーズ)は、
既存設備に後付けするだけで簡単にIoT化するセンサ
です。

IoT角度センサユニット

特長

・既存のアナログメーターをIoT化
・ワイヤレス通信対応
・内蔵電池で5年間稼働
・閾値設定で異常検知・アラーム通知

※アラーム通知はSIRCクラウドの機能

導入することで得られる効果

業務効率化

手書き記録や巡回点検に費やしていた作業時間が大幅に削減され、
導入事例では年間数千時間規模の工数削減につながっています。

省力化・人員最適化

複数名で対応していた点検業務も、自動化・遠隔監視によって効率化できます。

安全性の向上

高所・狭所・暗所などリスクのある現場に行く必要が減り、作業者の安全確保にも貢献します。

トラブルの未然防止

データの連続監視により、設備劣化や異常傾向を早期に把握でき、
緊急停止や重大故障の回避が期待できます。

データ活用の促進

自動収集されたデータはグラフ化・分析が容易で、保全計画・省エネ対策・運転最適化など、
経営判断を支える情報として活用できるようになります。

導入事例

まとめ

アナログ計器は、現場の運転状況を正確に把握するうえで欠かせない存在です。
一方で、目視による点検や手作業での記録が中心となる場合、データ活用や効率化の面で課題が残ります。

こうした背景から、既存のアナログ計器を残したままデータ取得や遠隔監視を実現する後付け型のIoT化が、実現性の高い方法として注目されています。
デジタル化により、点検工数の削減、異常の早期検知、設備改善・省エネ施策の高度化など、多くのメリットが期待できます。

アナログ計器を「目で読むもの」から「活用できるデータに変える仕組み」へ。
その一歩が、現場運用の最適化や将来の保全戦略につながります。

お電話でのお問い合わせ   06-6484-5381  受付時間 9:00~17:30(土日・祝日除く)